富士吉田市議会市議会議員横山勇志一般質問

 

公な意見でもあり、市政への質問です
一般質問録
≪第六回(2010年12月8日)横山勇志一般質問≫

 平成22年12月定例議会において一般質問をさせていただきます。
 今回、私が質問することは「富士山の有効活用について」、「老人介護サービスについて」、「鐘山市営グランド・第二小学校グランドバックネット裏トイレについて」の3点を市長にお尋ねしたいと思います。
≪富士山の有効活用について1回目質問≫

 標題1、富士山の有効活用について1回目の質問をいたします。
私は昨年に引き続き今年の夏も中の茶屋から富士山山頂まで富士登山を行なってみました。今回は私にとって2度目の富士登山ということもあり、余裕があるせいか、訪れていた登山者100名ほどに声をかけてみましたので、そのような経験を踏まえて一般質問を致します。
まず始めに、新聞紙上でも話題になっている富士山協力金について、いくつか市長にお尋ねしなければなりません。私は市長の提唱する富士山協力金について、基本的に賛成ですが、今までに市長が発してきた発言をなぞってみると抽象的すぎて良くわからない部分があります。例えば徴収した富士山協力金の使途ですが、市長の言によると富士山の環境保全やトイレ等に使用したい旨の発言をしておられます。しかし、その中身となるとその具体的な構想や必要経費等は曖昧なままで、まずは協力金の徴収ありきのような印象を内外に与えている感があります。そこでまず市長にお尋ねいたします。
富士山協力金の使途に想定されている具体的な事業とそれらに必要な予算、あるいは目標金額はどのように考えておられるのか市長にお伺いいたします。
また、周辺地域との連携についても富士山協力金の理解がうまく伝わっていないように感じられます。私は富士山協力金の使途が本市だけに都合の良いものでは周辺地域の理解も得られないと思いますが、市長は周辺町村・富士山関係各種団体に対してどのような考えを持ってお互いの認識を共有するつもりなのかお伺いいたします。
さらに、富士山協力金について登山者の意見で最も多かった疑問点は、富士山スバルラインで環境保全対策金を徴収され、加えて山小屋ではトイレ利用料を徴収されている状況下で富士山協力金の位置づけを問うものでした。市長はこのような疑問に対して、整合性を図る中で不公平感のない富士山環境保全協力金をどのように扱うつもりなのかお伺いいたします。
次に、私が登山者に行った質問の中で最も驚いたことは、その登山者の実に8割の人が今現在自分の踏みしめている登山道を富士吉田市なのだと認識していないことでした。多くの登山者は現在いる場所を河口湖であると答え、中には富士山全体が静岡県だと思い込んでいる登山者も少なくないのです。一方、富士山のふもとに目を転じてみても、富士吉田市にある民間商業施設はわざわざ河口湖店という名称が掲げられ、本市の名前のついた歴史ある富士吉田駅でさえも富士山駅にという流れがあります。これらはひとえに本市のアピール不足が招いた結果だと受け止めるしか無いのです。つまり、私が過去から一貫して質問している「富士山の恩恵」を本市はうまく活用していないのです。富士山に景観と環境という付加価値を与え、その見返りとして富士山から恩恵を受けるサイクルができていないのです。そして、「富士山のまち富士吉田市」という基本的な価値観が広く世間にアピールされていないのです。
 市長も2年連続で富士登山をされたので私の思いと同じ認識に立っていただけると確信しています。御師の街から北口浅間神社に至り、馬返しを経て自然と文化豊かな登山道を五合目まで辿り、そこから劇的な風景の変化を体験しながら辛いと思いながらも山頂に立った時の達成感は何とも言えません。そして、このコースの大部分が富士吉田市にあるという事実は我が市の宝だと思います。私はこの宝に敬意を表し、お金をかけなくともアイディアだけでも富士吉田市をアピールできると考えております。そのような中で、今現に本市で実施されている富士登山シーズン中の馬返しでのお休み処や公認富士山ガイドによる富士吉田市のアピールは大変良いことだと思います。
 また新たなアイディアとしては、本市ふもとから山頂までを制覇した登山者には大変名誉なことだと印象づけるよう、本市公認の富士登山認定書を授与し、本市の広報をしていただくと同時に市内でも何か特典を受けられるように富士吉田市をあげて支援することも良い考えだと思います。さらに、富士登山シーズン中だけでも富士山安全指導センターに富士山ライブカメラを設置し、インターネットにて富士吉田市を安価にアピールすることも大切だと考えます。そこで市長にお尋ねいたします。
市長はこのような考えについてどう思われるのか市長の見解をお伺いいたします。
以上で標題1、富士山の有効活用について1回目の質問といたします。

《横山勇志議員 1回目の質問に対する答弁》

 横山勇志議員の富士山の有効活用についての御質問にお答えいたします。
 まず、富士山環境保全協力金の使途等についてでありますが、昨年から、周辺町村長等と数回にわたり協力金について協議して参りましたが、協力金の使途につきましては、基本的に富士山の環境保全及び安心安全登山等のために使うべきとの意見集約がされたところであります。これを受け、金額を含む具体的な協力金の使途等につきましては、今後引き続き、各種団体からなる「富士山環境保全協力金協議会」の作業部会において詳細に検討して参ります。
 次に、周辺町村等との認識の共有についてでありますが、私は、昨年来、関係機関、また団体等を訪問し、富士山環境保全協力金の導入について御賛同をいただいたことから、今般の協議会の設立に及んだものと認識しております。今後におきましても、この協議会を通じ、関係機関等と密接な連携を図り認識を共有し、早期の導入に向け努力して参りたいと考えております。
 次に、富士山スバルライン通行料、山小屋トイレ利用料等と富士山環境保全協力金との整合性についてでありますが、この夏、2,000人を超える規模で実施いたしました「富士山における環境保全協力金制度の導入可能性について」のアンケート結果では、国内外の皆様より概ね60%以上の賛成があり、反対はわずか数パーセントという状況となっております。
 私といたしましては、登山者の制度導入に対する理解が得られたものと考えておりますが、横山議員御発言のとおり、スバルライン通行料、山小屋トイレの利用料など協力金導入に向けて、解決していかなければならない問題も多くありますので、今後におきましても、関係団体等と慎重に協議、検討して参りたいと考えております。
 次に、富士登山認定書の発行についてでありますが、富士山は、言うまでもなく世界に誇る日本のシンボルであり、富士山の麓に広がる本市が、自然との調和を保ちながら、富士山とともに発展してきたことは、横山議員御発言のとおりであります。
 吉田口登山道につきましては、富士山五口協議会による富士登山ポスターをはじめ、市独自の富士登山チラシ、馬返しにおけるお休み処の開設、「富士山初雪化粧宣言」などの富士山情報の情報発信に伴うメディア取材等で広く周知しているところであります。
 今後におきましても、現状の周知方法等に加えて、独自の富士登山ポスターの作成やお休み処の開設期間の延長、吉田口遊歩道の周辺整備、アウトドアメーカーとのタイアップによる宣伝活動等、様々な手段、方法により積極的にアピールして参りたいと考えております。
 横山議員御提案の富士登山認定書の発行の実施に向けては、諸課題を整理しながら、研究して参りたいと考えております。
 次に、富士山安全指導センターへの富士山ライブカメラの設置についてでありますが、富士山へのライブカメラ設置につきましては、現在、下山道七合目トイレに環境省が設置しております。富士山とともに歩んできた本市の姿を富士山から国内外に発信することは、大変有意義であるものと認識しております。
 しかしながら、富士山安全指導センターの所有者が、山梨県であること、また、この地域が自然公園法による特別保護地区であることから、設置に向けては、各種関係機関との協議等が必要でありますので、費用面も含めて研究して参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。
≪富士山の有効活用について2回目質問≫

 標題1、富士山の有効活用について2回目の質問をいたします。
 私が市長の答弁を拝聴した限りでは、何としても富士山環境保全協力金を導入したいという意志を感じ取ることができました。しかし一方で、凡庸で具体性に欠如しており、失礼だと思いますが、新聞記事のほうがまだ的確なコメントをしていると思います。その理由を考えてみますと、おそらく私の指摘したとおり、最初に協力金の徴収有りきからスタートした議論が詰めきれておらず、まだ答えの無いことなのだと判断いたしました。
 富士山環境保全協力金は増大する富士山への負担、または富士山世界文化遺産を前提に考えると貴重な財源のひとつになることは間違いありません。そのためには、地道な努力と周辺町村・富士山関係各種団体への理解を深めていただき、富士山環境保全協力金の有効な使途と問題点を早く明確にするべきだと指摘しておきます。
 次に私は、富士山5合目より下の登山道、いわゆる吉田口登山道の整備に目を向けていただきたいと提言しておきます。現在、同登山道は整備されたとはいえ、まだまだその魅力を引き出すことに成功しているとは言えません。1回目の質問と重複しますが、実際に5合目以下の吉田口登山道を歩いてみると豊かな自然と生態系の変化を観察できる日本でも稀な場所だと気が付きます。ですから私は、現在の本市の取り組みやボランティアによる取り組み、または、ふもとから山頂まで制覇した人への認定証授与などが富士山本来の魅力を内外に発信することができると考えております。特に認定証の取得者には市を上げて支援することで道の駅周辺の観光スポットや地元の飲食店、さらにホテルや遊園地等に協賛していただければ地域経済の活性化を図る一助になると思いますが、再度市長の考えをお伺いいたします。
 さらに私は、もっと大胆に予算をかけて5合目以下の吉田口登山道とその周辺環境を整備する施策が必要だと考えます。市街地を含む吉田口登山道は、本市が他地域と差別化しアピールする絶好の地域であるとも思えます。そこで市長に質問いたします。市長は富士山5合目以下の吉田口登山道ならびに当該地域の整備をどのように考えているのかお伺いいたします。
以上で標題1、富士山の有効活用について2回目の質問といたします。
《横山勇志議員 2回目の質問に対する答弁》

 横山議員の2回目の御質問にお答えいたします。
 まず、富士山環境保全協力金についてでありますが、協力金につきましては、近年の富士山ブームにより、登山者数の大幅な増加に伴う富士山の環境、登山者の安全登山、加えて、周辺市町村や関係機関・団体等に、人的、資金的にも大きな負担を強いている現状の解決を基本的な考えとして提言したものであり、決して協力金徴収ありきからスタートしたものではありません。
 富士山環境保全協力金の使途は、一例を挙げますと、安全登山のためのパトロールの実施や安全指導センター、救護所の充実、トイレの設置と維持管理、また、富士山に関わる環境教育活動など多岐に考えられますが、協力金は、この地域だけの問題ではなく、今や、全国的にも注目されていることから、拙速に使途や金額を提示するのではなく、アンケート結果等を参考に関係者と密接に連携し、慎重に対応して参りたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、富士登山認定書の発行に伴う地域経済の活性化についてでありますが、先ほど答弁申し上げましたとおり、その認定方法や取得者への特典の内容等、様々な課題を整理する中で、実施に向けて取り組んで参りたいと考えております。特典の内容等につきましては、地元の各種関係団体等と十分協議して参りたいと考えております。
 次に、吉田口登山道並びに当該地域の整備についてでありますが、富士山の史跡・歴史が残り、豊富な自然に恵まれた吉田口登山道は、富士山で唯一麓から歩いて登ることができ、古の登山を感じながら、ゆっくりと登山が楽しめる登山道であります。往時の賑わいを取り戻すべく、登山道における中の茶屋他3箇所への仮設トイレの設置、馬返しにおける「お休み処」の開設、日本橋から富士道を歩き通すイベントを通じての広報活動などを行い、麓からの登山をアピールしているところであります。登山者の安全確保と麓からの登山道をトレッキングコースとしてさらに活用するために、登山道西側に吉田口遊歩道を整備したところであり、今後は、この遊歩道の案内看板等の整備を行い、麓からの登山をさらに周知して参りたいと考えております。また、吉田口登山道につきましては、国の文化財である、史跡「富士山」として指定答申されたこと、また、荒廃した山小屋や土地に関しての複雑な権利関係等の課題があるため、国、山梨県等と十分協議する中で、慎重に対応しなければならないものと考えております。
 以上、答弁といたします。

 私は、富士山環境保全協力金は富士山世界文化遺産を考えてみても大切な財源になることは間違いないと思います。富士登山認定書については大変前向きな答弁をいただいて、私も心強く期待をしております。富士山は本市の大切な資源でありますので、その有効活用こそが富士吉田市の明るい未来に繋がると、私は信じております。 

≪老人介護サービスについて1回目質問≫

 標題2、老人介護サービスについて1回目の質問をいたします。
まず、本表題は私の所属している会派「みらい」のメンバーでもある及川三郎議員、渡辺幸寿議員、そして私、横山勇志の3名の思いは同じだとご了承ください。
さて、私は今年で47歳になりますが、私のまわりで良く聞くエピソードの一つを紹介いたします。それは、朝まで元気だったある男性の母親が突然脳梗塞で倒れ、救急車で病院に運ばれたということから始まりました。母親はなんとか一命を取りとめましたが、その後、入退院を繰り返した結果、やがて認知症も発症し、介護が必要になったとのことです。しかしながら話の当事者は「自分の親は子どもが見るもの」と思っているので、最初は彼の妻が日々の介護を行ないましたが、次第に疲労し限界を感じ、結局は介護施設を検討するに至ったということです。
不覚にも、私が30代の頃はこいうった話も遠い出来事のような気がしていました。しかし、近頃は先程の例のような話はごく普通に同年代から漏れ伝わってきます。事実として、私の親も認知症を発症した経緯もあります。
大抵の人は介護施設を検討する時に民間の有料老人ホームでは費用負担が大きいので、話題の中心は公共の施設に入れるように関心が移ります。そのような経験を踏まえて市民の方から改めてお話を伺ったところ、「特別養護老人ホームの待機時間は通常でも2〜3年、月額費用は6万円〜15万円ですよ」という返答でした。このような状況のもと、地域密着型特別養護老人ホーム、いわゆる定員29名以下の小規模特養の設置に向けて本市が積極的に取り組んでいく姿勢は素直に評価いたします。
ご存知の通り、国は特別養護老人ホームの入所者数が増え続けている現状、ならびに施設整備が不十分であることを危惧し、平成21年度の第一次補正において、特別養護老人ホーム、老人保健施設、認知症高齢者グループホーム等の介護基盤の緊急整備を図るため、「介護基盤緊急整備等臨時特例基金」の創設等により、平成23年度までに約3,011億円の予算を策定しました。この交付金を小規模特養一施設あたりにあてはめてみますと、市町村助成金が現行の1床あたり200万円から150万円の緊急整備がプラスされて350万円を29床ですから1億150万円、それに開設準備等経費が1床あたり上限60万円加算されますから、その分が1,700万円ですので総額1億1,890万円の助成金を受けられます。
そこで市長にお尋ねいたします。本市の助成金対象事業として民間業者に公募で募集し、選定される運びのようですが、その進捗状況とその業者がすでに決まっているならば、その業者名と開設場所をお伺いいたします。
さて、本市の特別養護老人ホームの現状ですが、昨年の平成21年4月時点の本市に対する入所申し込み数は347人で、今年の平成22年4月時点の入所申し込み数は411人でした。つまり、1年間で64人、率にして約18.5%の伸び率ということになります。
これらの数値は今後も確実に増えていくことは間違いありません。特に団塊の世代を中心に入所待ちの人数が増加に推移していくことは近々の課題でもあります。
要介護認定済、いわゆる待機者は直近のデータで374名おり、その中で要介護度4・5の重度といわれている人たちは150名を超えている現実があります。加えて、まだ流動的ですが平成23年度までに国が決めている介護型療養病床の廃止が実施された場合には富士吉田市立病院の介護型療養病床33床の人たちも介護難民というかたちで行き場を失うことになります。そればかりか家族の皆さんの苦労を考えると、定員29名の小規模特養が1つで本当に大丈夫なのかという疑問が湧き上がりますが市長の考えをお伺いいたします。
また先の助成金対象事業の質問と合わせて改めて市長にお尋ねいたします。私が聞き及んだ施設開設費用は1床あたり600万円〜700万円が必要で、総額にして約1億7,000万円〜2億円が必要だと言われています。本市の財源もさることながら、今後どのようにして本市の介護サービスの充実を図っていくつもりなのか本市の現状とともに市長の忌憚の無い答弁を求めます。
以上で標題2、老人介護サービスについて1回目の質問といたします。

《横山勇志議員 1回目の質問に対する答弁》

 次に老人介護サービスについての御質問にお答えいたします。
 高齢化の急速な進行に伴い、要介護高齢者数は増加し、また介護度も重度化する傾向にあります。特別養護老人ホームの入所申し込み者数につきましては、本年4月時点で374人の要介護認定者の方からの申し込みがあり、要支援認定の高齢者等を含めますと、全体の申し込み者数は411人となっております。また、県の所管であります広域型特別養護老人ホームの整備が進展しないこともあり、介護度が重度でありながら在宅で介護されている緊急入所を必要としている高齢者でさえ待機している状況であることは、大変憂慮しております。
 このような状況の中、本市といたしましては、現段階では、「富士吉田市介護保険事業計画」、また、国の介護施設緊急整備事業に基づき、平成23年度において地域密着型特別養護老人ホーム定員29人を1施設、認知症対応型グループホーム定員18人を1施設、それぞれ整備することとしております。
 整備につきましては、整備事業者を民間から公募により募集、選定し、事業者に対し補助金を交付する方法としており、9月末に募集を終了いたしました。地域密着型特別養護老人ホームにつきましては、11月末に選考委員会による審査、選考を行い、選定を行いました。選定の結果、事業者は社会福祉法人「明清会」であり、開設場所は特別養護老人ホーム慶和荘の隣接地でございます。また、一方の認知症対応型グループホームにつきましては、応募がなかったため、再度公募して参ります。
また、病院に設置されております介護型療養病床につきましては、国において、平成23年度末までの廃止が猶予の方向で検討されており、その推移を注視しているところであります。いずれにいたしましても、在宅で介護が困難な要介護者など、緊急入所待機者の解消を早急に行うために、施設整備につきましては、引き続き積極的に推進して参ります。施設整備につきましては、基本的には国・県の補助制度を活用して参りますが、その整備状況や待機者の状況によりましては、市独自の補助につきましても検討して参りたいと考えております。
 以上、答弁といたします。

≪老人介護サービスについて2回目質問≫

 標題2、老人介護サービスについて2回目の質問をいたします。
 市長の答弁を拝聴した限りでは危機感が全くありません。私が何のために身近な例を挙げたのか理由を理解しておられません。市長にはまず、老人介護の問題は切迫した問題だと認識していただきたいと思います。
その中で、地域密着型特別養護老人ホーム定員29人を1施設とありますが、市長は本当に1施設で足りるとお考えなのか、また、認知症対応型グループホーム定員18人を1施設応募したところ、応募がなかったので再度応募したいと述べられましたが、応募が無かったことへの検証と対策は済んでいるのか市長にお尋ねいたします。
さて、介護型療養病床に限った話ではありませんが、国の方針がどうであれ、市民の安心を担保することが市長の責務であり、市長も本定例会初日の決意表明の中で「子供から高齢者まで全ての人が安心して暮らせる町の実現」と述べています。行政に携わる人ならご存知だと思いますが、岩手県旧沢内村の深沢村長が掲げた「国に頼らない医療制度」という事例が過去にあります。しかし、その改革は当時の国民健康保険法違反を理由に待ったがかかりましたが、深沢村長は「本来国民の生命を守るのは国の責任ですが、国がやらないのなら私がやります。国は後からついてきますよ。」と述べ、様々なアイディアと共に村の医療費無料化を実現しました。その結果、小さな村が成し遂げた偉業として全国に知られたのです。つまり、私は市長の覚悟次第で素晴らしいモデル地域になることさえ不可能ではないと思っているのです。私も一市議という立場から出来うる範囲は限られておりますが、富士のふもと富士吉田市という本市の立地条件を考えると明るい展望も見えてくると思えるのです。
 そこでもし市長にこの大きな問題に付いて考えがあるのなら市長のビジョンをお伺いいたします。
以上で標題2、老人介護サービスについて2回目の質問といたします。

《横山勇志議員 2回目の質問に対する答弁》

 次に老人介護サービスについてでありますが、まず現在予定している地域密着型特別養護老人ホームが1施設では不足しないかという点についてでありますが、現実の問題といたしまして、重度の要介護者や認知症の要介護者など、施設への入居がかなえられず、昼夜たがわず御労苦や御心労重ね、介護に疲れているご家族の皆様を思いますと、行政が早期に解決していかなければならない重要な課題である受け止めております。
 そのため、現「介護保険事業計画」では、地域密着型特別養護老人ホームの整備は、1箇所として参りましたが、こうした状況を勘案して、もう一箇所、急遽、前倒し整備することとしたところであります。そのための財源確保につきましては、これまで奔走し地域の実情を山梨県に訴え、その確保に努めてきたところでありますが、現時点、その理解はいただけたものと考えております。今後は、正式な回答をいただき次第、公募を進めて参ります。
 次に、認知症対応型グループホームについてでありますが、本件の公募に当たりましては、応募資格を富士吉田市内の法人に限るとして、地域を限定しての公募となりましたので、市内事業者にとりましては、安定的経営が成り立ち難いという懸念を払拭することができず応募までにはいたらなかったものと受け止めております。そのため、早急に再公募をして参りますが、その際には地域限定の条件枠を撤廃して公募を進めて参ります。
 横山議員も御質問のなかで高齢者対策といたしまして、さかんに市の独自性を打ち出すべきであるというふうなことを申し述べておりますが、認知症対応型グループホームの再公募に当たり、地域限定の条件枠をはずすということは、はからずも介護サービス事業者の誘致という形をとることになります。
 介護事業は経済活動の視点から見ますと、高齢者福祉産業であります。介護サービスは、労働集約型事業であり雇用の創出力が強く、若者等の雇用の場の確保となり、また原材料の購入等への地域経済への波及効果等が期待できるものと考えます。
 わけても本市のような、森林などに恵まれた癒しの環境と景観、また首都圏100キロメートル圏内など地理的立な地条件とを考えますことと、今後も引き続き介護ニーズが増え、多様化いていくことをあわせ考えますと、介護サービス産業は、今後の本市のまちづくりの面からも新たな可能性が芽生えてくるものと考えております。そのため、こうした地域の潜在力を引き出し、今後の本市の振興発展に結びつけて参る所存であります。

≪老人介護サービスについて3回目質問≫

 標題2、老人介護サービスについて3回目の質問をいたします。
私も市長答弁の中で新たな施設増設の計画を打ち出していただき積極的な姿勢を大変評価いたします。しかしながら、現状を鑑みるとまだまだ施設等が足りないことは明らかですので、今後におきましても十分検討していただきたいと思います。また、グループホームに付いても市の枠を超えて介護サービス業者への誘致を推進していただきたいと思います。
さらに、介護サービスにつきましても市長の提示していただいたキーワードを結びつけることにより他地域との差別化が図られ、本市のモデル地域への第一歩に繋がると思います。
私が平成19年12月の定例会で議員となって最初に質問した内容は「先端環境技術と融合するまちづくり」でした。その肝心な部分をおさらいすると、先端技術のある企業等を景観と環境に秀でた本市に誘致する見返りとして、本市はその技術の被験者となり、官民あげて先端技術の貢献に寄与するまちづくりを目指すというものでした。その背景には富士山のまちという地理的優位があり、先端環境技術あるいは先端医療技術を育む土壌が本市にはあります。市長もご存知のとおり、本市には医療技術に転換できる企業も多く、なおかつ、療養・介護に適した環境と景観も有していることからホスピタリティのまちとして本市に人が集まる要素は十分にあると思います。
想像してください。富士山と環境と景観に優れた本市は、医療先端技術の被験者として治療と癒しを求める人たち、または人生最後の時を希望する人たち、さらにそのための企業や施設を積極的に誘致することで財源と雇用を確保し、その恩恵を還元させることで日本唯一の先進ホスピタリティのまちが実現できる可能性もあります。このことは標題1の「富士山の有効活用」ともリンクしていることで、本市が富士山を有しているからこそ実現可能なプランだと私は考えます。
そこで、市長はこのような考え方に対してどのように思われるのか、また、市長は決意表明の中で次期市長選に出ることを公言したのならば、その思いを公約に入れるべきだと考えますが市長の見解をお伺いいたします。
以上で標題2、老人介護サービスについて3回目の質問を終わります。

《横山勇志議員 3回目の質問に対する答弁》

 横山議員の3回目の御質問にお答えいたします。
 老人介護サービスにつきましては、これまで高齢者施策について議論を進めてきたところでありますが、今後、全国の各自治体においては、急速な少子・高齢化に伴う人口構成の変化への対応が、厳しく迫られて参ります。このことは本市におきましても例外ではなく、こうした課題への取組み如何によりましては、市民の皆さまの未来が大きく左右されることとなり、まさに私たちは今、分岐点とも言い得る状況に直面しているものと考えております。
 少子化は本市の経済力、地域力に直結する問題であり、さらに高齢化の進展は、質・量ともに充実した多様な福祉・介護サービスが今以上に求められるようになり、こうした福祉・介護分野への財政出動の必要性は益々増して参ります。
 このように非常に困難な課題が私たちを待ち受けておりますが、今なすべき大切なことは歳出削減などの必要性を理由に後退することではなく、こうした課題を真正面から受け止め、本市にとって、真に必要となる現実性の高い施策を選択し果敢に実行していくことにあります。
 このための取組みをより着実なものとするため、まずは、新年度に策定を予定しております「高齢者福祉・介護保険事業計画」の中で短期的な取組みを明らかにし、さらに中長期的には第5次総合計画において施策の大綱として一番目の柱として掲げております「安心で健やかな暮らし環境の確保」について、その実現に向け保健、医療、福祉、介護などを有機的に結びつけた取組みを深化させて参りたいと考えております。
 次期計画では、地域密着型特別養護老人ホームなどの介護基盤の整備はもちろんのこと、自宅での生活を希望する高齢者、施設への通所を希望する高齢者、また、それらの家族の皆さまの安心を支える多様できめこまやかな福祉・介護サービスの充実が不可欠であると考えております。
 こうしたことから、次期計画の策定に当たりましては、今、高齢者がどのような困難を抱え、どのような支援を必要としているのか、またご家族の皆さまはどのようなお考えを持っているのか、より適格に、実態に即した福祉・介護サービスのニーズを把握し、計画に反映して参ります。
 この地域で暮らすことの安全と安心を実感できてこそ、市民の皆さまは富士吉田市での生活に希望を持てるはずであります。そのためにも、この地域の歴史・文化とともに歩んでこられた高齢者の皆さまへの福祉介護サービス、他所にないこの地域の福祉資源や地域特性の中で行われる福祉介護サービスは、国の介護保険制度では画一的にくくり切れないものがあるはずであります。こうしたことからも中長期的には本市の実情に沿った形態のサービス体系を確立し、本市独自の「富士吉田市モデル」とも言える未来長寿社会の創造へ向け検討を深めて参りたいと考えております。

 本定例会の初日に私が「子供から高齢者まで全ての人が安心して暮らせるまちの実現」と申し上げましたのは、これまで申し述べて参りました思いを託して私の決意として表明させていただいたものであります。
 以上、答弁といたします。

 市長の心強い決意を拝聴して、私が長年テーマにしてきた「富士山の有効活用に付随した先端医療とホスピタリティのまち富士吉田市」に向けての第一歩が踏み出せるのかと期待しております。その中で、老人介護サービスの問題は近々の課題でもあり、避けて通ることのできない大切なテーマであると行政も私たちも認識し続けることが大切だと思います。
それには、市長はもちろんのこと、次世代の私たち全員で「市民が豊かに笑って過ごせるまちづくり」に邁進していく覚悟が必要だと思います。

≪鐘山市営グランド・第二小学校グランドバックネット裏トイレについて1回目質問≫

 標題3、鐘山市営グランド・第二小学校グランドバックネット裏トイレについて1回目の質問をいたします。
ご存知のとおり両施設は、「臭い・汚い・暗い・怖い」の公共トイレの4Kを代表するようなトイレであり、多くのグランドを利用する市民の方々から改修を望む声が叫ばれておりました。
そのような中、平成20年6月定例議会において、私は一般質問させていただきました。また、その後の議会で同僚議員さんからも要請があった経緯があり、ようやく実現の運びとなり、安心しているところであります。
この改修工事の予算につきましては、昨年度末、国の「明日の安心と成長のための緊急経済対策」として、地域活性化・きめ細やかな臨時交付金により補正対応されたものであります。
そこで、22年度への繰越事業としての扱いをされたものでありますので、私をはじめ多くの市民の方々は、年度当初から改修工事にかかるものと大いに期待しておりました。しかし、ようやく先月26日に工事発注され、来年3月に完成とお聞きし、どうしてこの時期まで工事発注が延びたのか、その理由についてお伺いいたします。
また、完成後の両施設の管理についてでありますが、公共トイレという性格上、不特定多数の方が利用する施設であります。
したがって、折角きれいなトイレを整備しても、後の管理をしっかりとしないと直ぐに汚れてしまい、使いづらくなります。完成後の管理について、誰がどのような方法でするのかお伺いいたします。
以上で標題3、鐘山市営グランド・第二小学校グランドバックネット裏トイレについての1回目の質問といたします。

《横山勇志議員 1回目の質問に対する答弁》

 鐘山市営グランド・下二小学校グランドバックネット裏トイレについての御質問にお答えします。
鐘山市営グランドと下吉田第二小学校グランドバックネット裏トイレにつきましては、両施設とも今年度末の完成予定となっております。工事の発注時期が延びた理由と管理につきましては、教育部長をして答弁いたさせます。ます。
 以上、私からの答弁といたします。

横山勇志議員第3標題1回目答弁書(部長答弁)

 鐘山市営グランド及び第二小学校グランドバックネット裏トイレの改修工事の発注時期が延びた理由と完成後の管理についての御質問にお答えいたします。
 まず、改修工事の発注時期でありますが、横山議員ご発言の通り昨年度末国の地域活性化・きめ細かな臨時交付金により3月定例会において補正予算対応させていただいたものであります。当初両施設については、実施設計を含め22年度予算での対応を予定しておりましたが急遽、国の臨時交付金の対象となることから、3月補正での予算対応をしたものであります。新年度に入り設計をし、それに基づき今回工事発注されたものであります。両施設ともグランドに付随する施設であり、夏から秋にかけては、様々なイベントの会場として使用されているため、工事によりグランド使用への支障が懸念されておりましたことから、秋以降の使用が少なくなり、市民への影響の少ない時期での工事を当初から予定しておりましたので、この時期になったものであります。
 次に、管理についてでありますが、鐘山グランドについては、今まで同様指定管理者に、また、第二小学校グランドについては、学校開放施設でありますので、生涯学習課が管理いたします。いずれにいたしましても、議員さんご発言のとおり不特定多数の方が使用する場所でありますので、誰もが快適にいつまでも使用できるよう清潔に管理するとともに、使用する方々においても、ご協力をいただけるようお願いしてまいります。
 以上、答弁といたします。

 今回の質問は富士山の恩恵という共通のくくりで行ない、かつ、前向きな答弁をいただけたと思っております。富士山が私たちを見守っている限り、市民をあげて富士吉田モデルを確立していきましょう。
以上で平成22年12月定例議会一般質問を全て終わります。
ありがとうございました。